ACRで何が変わるのか 1 感じ取りかたの変化

セラピーの効果

セッションをすることで、他者や状況に対する感じ取りかた・受け止めかたに変化が起きてきます。

家族や友人、会社の同僚など、他者の何気ない一言に、気がついたら反応してしまっていた、ということは多くの人が経験したことがあると思います。「他者は自分を映す鏡」といいますが、近い関係であればあるほど、その人の言動にカチンときて口論になったり、私はこの人とは合わないと思ってしまったり、なんてことが起きがちです。

それは良くないことだから、そういう自分をなくしましょう、と言っているのではありません。むしろ、そのような経験(特定の人といつもケンカしてしまうなど)が、実は自分のことをよりよく知ることにつながるという話です。

決して自分を責めるわけではなく、でもそういう行動や反応をするということは何か自分をそうさせてしまうことがあるみたいなんです。自分にとって何かまずいことがありそうなので、それはどんなことかなあと見ていきます。これに気づくだけでもずいぶん楽になります。

私たち人間は、社会的動物として他者と交流しかかわっていくことで、お互いに影響を受けあい、与えあっているわけですが、まさにその中で日々いろんな感情に出会います。そしてそこで湧き上がってくる感情や思いによって、自分の発言や行動もまた影響を受けます。これは他者も同様で、相互作用が常に起きています。

私たちの経験は今この瞬間も止まることなく常に流れているわけですが。言ってみれば、カチンときたことで、その部分は流れなくなってしまっているのですね。なんかモヤモヤするなんていうのもそうで。停滞して絡まってるイメージ。

セッションでは、私たちの深いところにある感情に働きかけをしていきます。それによって、その感情とタグ付けされている過去の場面が思い出されてくることがありますが、その時、自分とその出来事の間には距離があって鳥の視点でみる、俯瞰するかたちでみることになります。

セラピストとの対話(実際には自分との対話)を通して、そこから気づきが生まれ、知らず知らずのうちにとらわれていた感情がほどけていくことがあります。そして日常に戻った時、今までだったらつい反応してしまっていたことが気にならなくなったり、こだわりがなくなってたり、以前の自分を思い出すとちょっと笑えてくるといった心境になっていきます。時の経過とともに。

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